2023-10-21

外国子会社合算税制 - 受動的所得の合算課税


以前、外国子会社合算税制の経済活動基準について書きましたので、今回はその続きを英語にしてみました。

日本語原文       は前回までの訳:赤字が今回の訳
外国子会社等がペーパー・カンパニー等である場合又は経済活動基準のいずれかを満たさない場合には、その外国子会社等の所得に相当する金額について、内国法人等の所得とみなし、それを合算して課税する。

経済活動基準:
①事業基準(主たる事業が株式の保有等、一定の事業でないこと)
②実体基準(本店所在地国に主たる事業に必要な事務所等を有すること)
③管理支配基準(本店所在地国において事業の管理、支配及び運営を自ら行っていること)
④次のいずれかの基準
 (1) 所在地国基準 (主として本店所在地国で主たる事業を行っていること)
   ※ 省略
 (2) 非関連者基準 (主として関連者以外の者と取引を行っていること)
   ※ 省略

また、外国子会社等が経済活動基準を全て満たす場合であっても、実質的活動のない事業から得られる所得(いわゆる受動的所得)については、内国法人等の所得とみなし、それを合算して課税(受動的所得の合算課税)。

参考英訳:
Under the Japanese CFC rules, the income of a foreign subsidiary is deemed and taxed as the income of its Japanese parent company based on an entity approach if the foreign subsidiary is a Paper Company, Cash Box or a resident in a Black List jurisdiction or does not meet any of the Economic activity tests.

(1) Business purpose test - The main business of the foreign subsidiary does not fall within certain businesses, such as the holding of shares.
(2) Substance test - It has an office necessary in order for it to conduct its main business in the country where its head office is located.
(3) Management and control test - It has functions to manage, control and administer its business in the country where its head office is located.
(4) Either of the following tests:
      (i) Country of location test - It conducts its main business mainly in the country in which the head office is located.
      (ii) Unrelated party test - It transacts with mainly unrelated parties.

However, even if a foreign subsidiary meets all these Economic activity tests, its passive income is still deemed and taxed as the income of its Japanese parent company.

英語のほうが随分短いことにお気づきでしょうか。これは「実質的活動のない事業から得られる所得」を訳出していないからです。

「受動的所得」は輸入された言葉である「passive income」の訳語で、「実質的活動のない事業から得られる所得」は日本人に対する補足説明です。こういう場合、英訳は不要です。訳すとかえって分かりにくくなるからです。

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