2022-04-21

消費税の免税取引はなぜ zero-rated なのか?

消費税の免税取引はなぜ exempt ではなく zero-rated というべきなのでしょう?(課税取引、不課税取引、非課税取引、免税取引についてはこちらのサイトをどうぞ。)

今回は、非課税取引と免税取引に焦点を当て、なぜ、
  • 非課税取引 exempt transactions/supplies, non-taxable transactions/supplies  
  • 免税取引  zero-rated transactions/supplies
となるかについて書きました。

消費税の非課税取引と免税取引はどちらも消費税ゼロですが取扱いは異なります。(出典:国税庁サイト
  • 非課税取引 消費税は課税されないので、課税仕入れに係る消費税額は原則、仕入税額控除できない
  • 免税取引  課税仕入れに係る消費税額は原則、仕入税額控除できる
でもここで疑問が!なぜ「免税取引は exempt ではなくて zero-rated なんでしょう?」

理由は、付加価値税(value added tax; VAT)に関する以下の文章の通りです。(出典:HM Revenue & Customs

Some goods and services are exempt from VAT.(略)This means you cannot reclaim any VAT on your business purchases or expenses. 
VAT が exempt される物品サービスがあります。(略)仕入に係る VAT は控除できません

Exempt items are different from zero-rated supplies. In both cases VAT is not added to the selling price, but zero-rated goods or services are taxable for VAT - at 0%.
Exempt の取引と zero-rated の取引はどちらも VAT を課されませんが異なります。Zero-rated の場合は 0%の VAT が課されています。

This is in contrast to where you sell or otherwise supply zero-rated goods or services. Here you can reclaim the VAT on any purchases that relate to those sales. 
これ(exempt)は、仕入に係るVAT を控除できる zero-rated 取引とは対照的です。

つまり、
  • VAT の exempt 取引は仕入税額控除できない=消費税の非課税取引
  • VAT の zero-rated 取引は仕入税額控除できる=消費税の免税取引
となるわけです。単語を英語に変換するのではなく、同様の制度を持つ英語圏の国から言葉を借りると、コミュニケーションがスムーズになる一例だと思います。

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